118栗巣細野出土品

 昭和48年、母袋地内でスキー場設置工事中に出土し、工事責任者により届け出られたものである。
 出土品計8点
 高坏破片1点、高さ6.5p、脚部底面9.5p、口径15.5p。蓋破片1点。厚さ0.6p、鈕の径3.7p、高さ1pの宝珠形で緑の釉がかかっている。甕破片2点、平行叩目文あり。弥生土器片2点、条痕文あり。山茶碗破片1点。土錘1点は大型で中世のものである。
 以上の遺物は、標高850m、山の斜面にあるわずかな平坦場所の地下60pの位置から出土した。この地点は四方八方へ尾根が通じており拠点的場所である。出土地の下方には古い石だたみの道が残り「鎌倉街道」と伝えられている。
 出土品は弥生時代から中世各時代のものが少量づつ埋められている事、この付近に経塚と伝えている場所がある事、鎌倉街道の伝承どおり近年までこの山の道が利用されていた事など綜合し、古代から中世にかけて山の道の安全を祈る信仰遺跡があったのではないかと考えられている。



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